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★ポップンマッシュルームチキン野郎「殿(しんがり)はいつも殿」感想

前々回の記事で東京で観たことに少しだけ触れてますが、あれから大阪公演全通しましたので感想置いていきます。
遅くなってしまったけどよろしければ。


5/30~6/2 大阪7公演(HEPホール)

ポップンさんといえばブラックのきいたネタとR18と人外着ぐるみキャラetcでタブーギリギリのラインを攻めつつ笑わせたり泣かせたり、よくこんな荒唐無稽な話作るよな~という不思議な(?)劇団ですが、決して観て損はさせない団体さんです。

というわけで、感想の前にポップンさんの素晴らしいところを箇条書きにしていきます。

1.客席の組み方
小劇場は固定椅子ではなくフラットな場所に椅子を置くやり方が多いので、見易いように前方をチビ椅子にしたり、またフラットな席でも舞台セットを高い場所に作って見易くしてくれる。
しかも東京公演では日々少しずつ位置を変えてその都度Twitterで今日のレイアウトを発表してくれていた。

2.入場列の工夫
大阪初日にお花を置いていた机が若干入場や終演後の導線の邪魔になっていたのが翌日からスムーズになるように都度机を移動させていた。

3.チケット交換
前売りはコンビニ発券の普通のチケットなのですが、終演後に当日券で出している劇団オリジナルチケットに交換することが出来ます。その案内がとても行き届いている。スタッフがチケットを頭上に掲げて分かりやすいように声をかけている。声を出しての案内は当たり前のことだけどこういうちょっとした工夫がとても上手い。

4.面会待ち
小劇場は終わってから客出しにキャストが出てきます。(全ての現場がこの限りではないけど)
予めこのキャストはこの辺に出てきますとアナウンスしてくれるので目当てのキャストの位置で待っていればOK。また面会待ち列が長くなる場合は帰るお客さんの道をふさがないよう誘導してくれる。
また受付にマジック常備しているので思い立ってキャストさんにサイン貰いたくなっても大丈夫!

5.高校生以下は1000円で観れる
商業舞台と比べると小劇場はチケット代は安価ですがそれでも4000円くらいが最低ラインです。
高校生のお小遣いで4000円はかなりの出費。
そこを学割で1000円は大きい。演劇人口を増やす為の努力なんだろうな。四季や宝塚では普通に席種による値段差があるけど、小劇場で各種割引が実行出来る団体さんは強い。

6.開演前パフォーマンスがクレイジー(…)
開場して暫くすると本編とは全く無関係のパフォーマンスという名の寸劇?が行われます。
真剣に観なくてもOKなんなら歓談したりトイレ行ったりしてねという緩さ。しかし内容はかなりキツい(笑)。今回は日本を代表する超人気探偵アニメのだいぶアカン感じのパロディでした。(コ○ンが人を○している時点でヤバい) SNSダメ絶対!笑
ちなみに私が初めて見たポップンさんのパフォーマンスは某千葉にある夢の国のパロディものでした。
(めちゃくちゃヤバい)

7.物販
パンフレットが凝っている。キャラクターの裏設定が楽しい。また上演台本が丸ごと掲載されていて台詞の反芻に有難い。企画ページも充実。
またグッズコーナーではお会計4000円以上でクレジットカードが使える。商業舞台でもクレカ使える現場はなかなかないので画期的。


思いつく限り書き出してみました。演者と客の距離が近い小劇場はその近さと身内感が時に初心者を遠ざけてしまいがちなのですが、そんなことないよと声を大にして言いたい。
ポップンマッシュルームチキン野郎さんはいいぞ!


で、感想ですが。
一言で言って、時代劇で未来ものでヒーローショーで最終的には家族の愛情の物語でした。その中でこれTRUMPやん要素がいくつかあって、期間中COCOONと梯子した勢はきっと混乱したことでしょう。
TRUMP的要素とはつまり不老不死ですが、私、今だから言えるのですが東京の初見では本当に主人公の小説家は不老不死で江戸時代に大名やってたんだと思っていたんですね。未来の部分は創作で。
でも整理したら辻褄合わなくておかしいな?となり大阪でやっと死の宣告を受けた主人公が奥さんを悲しませたくない為についた壮大な嘘、自分は不老不死で何万年も生きてきたけど君と出会って普通に年をとるようになった、だから死ぬことは決して悲しくない、自分の生涯を自伝にして残すという主人公の手法を理解しました。
いやー私の理解力が足りないのは認めますが、初見で本当に不老不死の話なんだと思わせる荒唐無稽さすごくない?
江戸時代なのにヒーローショーやるんだよ?
お姉さんががんばれー!って叫ぶんだよ?
ラスボス徳川家康がセル化するんだよ?
宇宙船の中で机とフェ○メールの絵画と観葉植物とア○パ○マンのド○ンちゃんが普通にお喋りするんだよ?
なのに最後はきっちり泣かせてくるなんてズルい。

推しくんの役は主人公の小説内に出てくるキャラとしての甥でした。その他にもモブとして劇中色んな衣装で出ていました。開演前パフォーマンスでも3役くらいやっていたのでオタクとしては違った衣装での推しくんが観れて楽しかったです。
メインの大名の息子は磯ミュの中島みたいなビジュアルでヘタレチェリーボーイ設定でしたが、場面転換で殺陣本領発揮したり、思いきり蔑みブス呼ばわりするところが最の高でした。

劇団員と客演合わせても今回キャストが12人だったので、必然的に皆さん兼役でした。
江戸時代と現代と未来が舞台なので、早着替えも大変だったろうな。
ヒーローショーの場面は数年前まで特撮オタクで何度か足を運んでいたので楽しかったです。

推しくんが出るの、最初は何となくピンとこなかったのですが(推しくんはかなりの客演の実績作っているのでその中でのイメージです)、彼のイメージを覆すようなところに出るのは大いに賛成だし、決まったところに出るのも安心して観ていられるけど、たまには毛色の違ったところで観れるのも嬉しいものです。