後悔は少なめのMY LIFE

労力と金銭は惜しまないstyle

★ツツシニウム#4「ノコッタカンカク」感想

2/8~12 全8公演


意味深なキャッチコピーと謎な世界観のデザインなフライヤー。答えは劇場にありました。


ツツシニウムは一昨年のカエルエカに続いて2回めです。福地さんの演出はENG作品で何度か拝見しているのですが、オリジナル作品の傾向が掴めていなかったのです。
今回で何となく分かったような…?
まあね、やっぱり推しを起用して下さる方の作品は好きでいたいし理解したいじゃないですか、という私の拘りです。


ある劇団がマクベスの稽古をしている設定。

男1 マクベス役の役者(図師さん)
男2 演出家(福地さん、鷲尾さん) Wキャスト
男3 演出助手(星璃くん)
男4 共演の役者(門野くん)
女1 稽古を見にきた(多分)役者仲間(亜沙香さん)
女2 共演の女優(綾ちゃん)
女3 共演の女優、一番後輩(あだつちゃん)

冒頭から長台詞の男1、その熱量からシェイクスピア作品だとすぐに分かる。
熱演中の空気を壊すように入ってくる男4。
舞台の稽古場面は観劇オタクにはとても馴染みのある景色ですね。実際に見なくてもSNSでしょっちゅう役者があげているから。
遅刻を責められる男4は「電車の遅延で◯◯(海外)での乗換がうまくいかなかった」と言い訳する。
ん?ここは日本じゃなかったの?
本能的に観ている側は日本のどこかである劇団が稽古をしている場面だと思い込んでいるところへ、舞台はドイツだったんだ?!と再確認させられる。
そういえば彼らには名前がない…
でも話の中でカップラーメン食べていたりSMAPの名前が出てきたり。これは私は日本人向けに分かりやすくした翻訳的な演出かなと思っています。

カエルエカは一般的な大学生の合コンシチュなのに、100年くらい未来の話だったなそういえば。
100年後の世界では当たり前だけどiPodは骨董品扱いで。身近にはよくあるシチュエーションだけど、どこが現実離れした世界を描いている。でも決して安易ではない。上手く表現できないけど、私の福地さん作品のイメージはこんな感じです。


カスパー・ハウザーという19世紀のドイツに実在した人物の感覚が稽古中の男1に入り込み、場面は現代の稽古場、19世紀のドイツ、マクベスの舞台と次々にスライドして行きます。
舞台上に7人いるキャストはカスパーと彼の周囲の人達も演じるので、板の上には倍の14人以上がいるようでなかなか美味しい。

男1 カスパー・ハウザー
男2 カスパーを最初に見つけた男(ジョルゲ・アイヒマン)
男3 カスパーの護衛人(ヒッケル)
男4 カスパーの後見人(スタンホープ卿)
女1 カスパーを監禁していた女
女2 カスパーを教育した学者(ダウマー)
女3 監禁女の妹でカスパーに言葉を教えた女

カスパーについての詳細はウィキって下さい。
ググるではなくウィキる、なのは推しの台詞からの引用です笑。
各人物の舞台上でのポジションがほぼ定位置だったので、推し的には下手がとても美味しかった。
一度敢えての反対側最前で観たら、推しはあまり見えなかったけど、亜沙香さんの動きや表情がよく見えてこれはこれで良かった。亜沙香さんのあのお顔は同性でもドキドキする美しさでした。
風景や抽象的な映像をバックに流すことで「エモの可視化」効果を発揮していまして。これがあることで確かに更に物語に引き込まれるという効果なのかな?わたし的には音楽の方が客入れの時のチョイスからどれも素敵だったのですが、これはまあ好みもあるので。言うまでもなくキャストのスキルが高いからこそ成り立った作品ですよね。


そして推しに振り幅の違う難しい役を与えて下さる福地さんは神です。いやマジで。
多分ね、これまでの印象だと男4の方だったと思うのよ。そこを敢えて門野くんにああいうチョケた役を振り、推しにはインテリメガネの若干イヤミっぽい役をもってくる。まさに神です。大事なことなので2回言います。
とはいえもし男4なら亜沙香さんといちゃいちゃするところも見れたのかなと思うとそれはそれでとても見たい…


図師さんはコメディ寄りの役者さんですが、そういう方がシリアスな役をやるとギャップにやられるのは去年のメトロノウムで立証済み。
(ちなみに私の初図師さんは、漫才師なのに最後めちゃくちゃ泣かせにくるという反則な役でした)
男1の演技にのめり込む姿やカスパーの無垢で真摯で愚鈍な言動は図師さんでしか想像できないなーと思わされてしまう。
亜沙香さんの女1は男1の元カノで、今は男4と付き合っている(ように見せている?)のだけど、2人の関係とカスパーが生きてきた環境の謎が目の前で明らかにされるラストのお二人の演技に毎回胸が苦しかった…。女の執念をひしひしと感じる。いやこの女1の怖さは亜沙香さんならではやな…という見事なキャストのはまり具合でした。
もちろん、このお二人だけではなく、他のキャストの皆さんもそれぞれ魅力的でした。
綾ちゃんはド天然でKYで、綾ちゃんだから許せるけど実際こんな先輩いたら正直しんどいし、ことあるごとに門野くんにイラッとしてストレスたまるだろうな~と、私は割とあだつちゃん寄りで観ていました笑。
門野くんは笑いどころでの出番が多いので、段々ラーメンのシーンのアドリブが増えていったし、対鷲尾、対福地の違いを見るのが楽しかったな。
キムチの気持ちとか誰目線の話とかハッとさせられる台詞も印象的でした。


誰がカスパーを殺したかは分からずじまいだし(史実なので仕方ない)、終わりかたもスッキリしているとは言い難いのに、後味の悪さは不思議となくて、「そこ」にカンカクを残すより終わってから持ち帰って、好きなキャストの皆さんと共有出来た5日間はとても幸せでした。


蛇足ですが今回の会場が京王線沿いで、京王線といえば推しの初東京での客演を観に行ったのも同じ沿線。笹塚と八幡山は駅前の風景が少し似ていて、劇場もどちらも地下にあるところが何となく似ていて、懐かしい気持ちにもなりました。
当時、同じ場所で観ていたけれど名前を知らなかった人達と今仲良くさせて貰っている縁を感じたり。


そして、時間が経ってしまうとカンカクが残らなくなっていくことがつらいので、感想はなるべく早くあげよう自分、と思ったのでした笑。

★犀の穴プロデュース「あの子の宿題」感想

1/18~1/21 全7公演


今回、キャストのツイートがどれも抽象的でストーリーもフライヤーにあるものしか分からず、分かっているのは絶対中学生に見えないベテラン俳優さん達が学生服着て中学生を演じるということで、なかなか攻めてる内容やな~とぼんやり思っていました。


違和感ありありかと思いきや公演が始まると皆さんちゃんと中学生に見えてくる演劇マジック。
初日観て、これは実年齢に近い若い俳優には難しいかも、年齢重ねた方々だから出せる味なのだと理解しました。
そんな中、最年少(言うても3月で24歳)の推しが
キャスティングされた意味、作家さんの意図を
掴むことが今回の私の「宿題」だったと思います。


ストーリーはクラス内のカースト下位の所謂陰キャな男子君島くんの片思いの相手、転校生の「あの子」が突然姿を消し、大人になって明かされるあの子の意外な事実、こんな感じです。
分かりにくいですよね。実際文章にするの難しいです。
これが真実だ!とはどこにも描かれていないので
正解はありません、観た人の想像が全てというやつです。
ストーリーを考察するのがしんどいなら、中学生あるあるを楽しむのもありです。
カースト上位の陽キャリア充カップル、キョロ充ぽいデブキャラくん、さえない系に見えるけど眼鏡とったら美人の地味っ子
修学旅行の恋バナシチュエーションなどはリアル
かつ創作的でもあり、面白かった。


星璃くんの役は、陰キャな君島くんが脳内で作り出した理想のDC(男子中学生)「タケル」
理想だけあって金髪!チャラい!
中学生やるのにまだ金髪なんだと不思議でしたが、理解。君島くんのスタンド(笑)だからなんですね。
しかも関西弁で何なら陽キャの時の松井勇歩入ってたわ笑。
稽古画像にアクションシーンと思われるのがあって何をするんやと思っていたら、君島くんが書いている厨二全開バトロワもどき小説の再現シーンでした。やたらカッコ良くてたかみつさんと星璃くんの無駄使い(笑)


あの子について分かったこと(キレイな声、唐揚げが好き、本が好き等)君島くんは何度も壁にチョークで書いていくのですが、同窓会で分かったのは実は体を売っていたという衝撃的なものでした。
イケてる陽キャの片岡はあの子に告白してフラれ、片岡の彼女の倉木はあの子が転校してきてクラスのNo.2へ。キョロ充星川くんはお年玉を貯めたお金であの子を買い、あの子になりたかった地味な佐藤さんは唆されて先生を誘惑する。
皆が皆、あの子についての苦くて甘酸っぱい思い出を持っていて、きっとそれは彼らの中で美しい思い出にしておきたかったのかなあ、なんて。
君島くんもお母さんもそれは同じことで。
あの子が生きているのか死んだのかは明かされていないけど、そこら辺はあまり気にしなくてもいいのかもしれません。
観ていく内にもしかしたらお母さんは娘を探し続けて病んでしまってついに幻を見たのかもとか、あるいは大人になって制服着て体売ってるところだったのかもなんて考えてしまいました。
まあこれは突飛過ぎるけどこういう見方もありじゃないかなあと思わせる作品でした。


あの子役の楠世蓮さん、初めて見る女優さんですが大きな瞳が印象的で可愛かった。そしてあの目力。
あの目に涙をためて正面を見据えて「あの素晴らしい愛をもう一度 」を歌う姿に毎回頭をガツンと殴られるような感覚になりました。
闇を背負った演技が絶品で、彼女の闇を負の要素が一切ないタケルの存在が中和していたなという印象でした。
ベテランばかりの中に実在しない理想型タケルを最年少の役者を選んだ意図はここにあったのかなと、
何となく考えてしまったのでした。
※ちなみに楠さんは26歳。ロリータ服ブランドのモデルもされている方でもっと若いと思っていたら年上でした


全7公演でしたがどうしても先約との都合がつかなくて、最終日は諦めました。残念。
でもこちらも先にとっていた地元での舞台のチケットを紙切れにしてしまった上でのことなので仕方ないです。
これからも全通出来ない事案は発生すると思うのでその時になってメンタル面やられない強さを身につけたいですね。

どうしても都合がつけられなかった事案については次の日記で感想をあげます。

★2018年推しごと始めでした

2018年あけましておめでとうございます。
新しい年になって1週間以上経ちましたが、
推しごとが始まらないことにはこの日記も更新
出来ませんもので、少し遅くなりました。
東では松の内は7日までと言われておりますが、
地元関西では15日までらしいので、とりあえず
今年もよろしくお願いいたします。


さて、2018年の推しごと始めは8日の「寄せては返すカエルエカの定点観測」というイベントでした。
推しくんが一昨年末に出演した外部作品のイベントです。定点カメラで撮った記録映像を見ながら
キャストとゲストでトークしようというイベントで
定点カメラ撮影DVDはお土産として貰えました。


カエルエカは過去の推しくん出演作品紹介の記事
でも少し触れていますが改めて。
今から100年くらい先の近未来が舞台。とはいえ
出てくる男女6人は今時の大学生。好きな女の子の
気を引くために男子達が肝試し合コンに誘い、
「カエルのうた」を輪唱したら、居るはずのない
7人めの歌が聴こえてくるという都市伝説を実証
しようとしたら、そこに1人の女の子が現れて…
というホラーぽいけどそうではないお話。
まあ女の子が既に実在しない人物である時点で
ホラーですが、決してそれだけではないんですね。
実際に起こったある災害を取り入れていて、
ここは賛否両論あるところだと思うのですが、
(デリケートな問題ですよね。最近ある舞台でも
同じようなことがありかなり批評されていたし)
人の感じ方はそれぞれ違うし、あのことについて
何も感じない人は無神経とか、どうしても取入れ
たいなら架空のものにしたらいいのにとかは一旦
置いといて。
観劇当時自分はさほど気にならなかったけれど、
こうして時間を置いて見れたことにより、
実際の事件を題材することを複雑に思われた方の
気持ちが理解出来るというか、フラットな気持ちになって見れたかなと思います。
福地さんの演出の一片に触れられ、難解なりに
色々感じることが出来たのは収穫でした。だって
推しくんを気に入って起用して下さる方の作品は
好きでいたいし分かる努力をしたいじゃない。
※カエルエカは再演ものですが、仕事の予定がなかった星璃くんに福地さんがその機会を作って下さった作品です。


意外で面白かったのが、おそらく観劇当時より
映像で見た昨日の方が客席めちゃくちゃ笑っていた
という現象。
お客はほぼ一昨年観劇した方ばかりでしたが、
これは客観的な視点と演者も側にいて一緒に見ているというその場の雰囲気が原因ではないかと。
七海とろろちゃんのブリブリ媚び媚びからの
脈なしと分かってからの豹変と、星璃くんの
好きな女の子に対するヘタレっぷりにあれだけ
笑うとは思わなかった(笑)
ちなみに福地さんによるとこの2人は何年か経って
くっつく可能性ありだそうです笑。


イベントは他にあっち向いてホイ勝ち抜き戦や
だるまさんが転んだ対決で、罰ゲームありでした。
自ら罰ゲーム進んでやってくれる星璃くんすこ
(ヤンキー化した芦田愛菜ちゃん最高でした)
推しごと始めに相応しい楽しいイベントでした。


今年もこうやって舞台やイベントで楽しく過ごせたらいいなと思う反面、自分の思い通りにならなくてもイライラカリカリしないでいたい。
いや何事においてもね。
でも自分のスタンスは守っていきたいなあ。

こんな私ですが、2018年もどうぞよしなに。
このブログ共々よろしくお願いいたします。

2017年を振り返ってみたら

今年に入ってからはてなブログを始めたので一応、
総括っぽい今年最後の日記です。


何を観に行ったかは過去記事にそれぞれあげているのでここでは書きませんが、手帳に書いたのとプライベッターのとそれぞれカウントしたら何故か145ステージと144ステージで、どちらか数え間違えている模様。演目としては58かな?
その内推し出演作品が85だったのですが、日替わりで2ステージやっているので87ステージでした。

【外部客演】
ドラゴンカルト(東京)×6
サンサーラ式葬送入門×8
ドラゴンカルト(大阪)×7
メトロノウム×10
狐姫(日替わりゲスト)×2
勇者セイヤンの物語(真)×9
クレプト・キング×9
ONE DAY×8

【劇団本公演】
羽生蓮太郎×8
JOURNEY浪花忍法帖(大阪東京)×20

うん、これで多分合ってるはず。
ジャー忍東京の追加公演行かなかったので全通ではありませんが今年も推し活頑張りました。
自己満足で自分が通いたいから通っています。
推しを沢山観たいからという理由だけです。
後悔のないよう、でも無理はしないをモットーに
これからも続けます。


よくそれだけ通うにはどんな仕事してるんやと
謎に思われているようですが、普通に会社員です。
1つだけでは生活出来ないし趣味にもお金使えないのでダブルワークではありますが。
とりあえず借金ないし衣食住には困らない程度に
生活は出来ているので、体力的な面以外での無理は
していない…はずです。
推しの東京仕事が多いのでいっそ東京に住みたいと思ったこともありますが、まず通勤ラッシュ無理だし物価高いし、何より劇団Patchの拠点が大阪であり、推しが自分はPatchの人間、と言ってくれるのでやっぱり大阪大好き!
これからも大阪と東京往き来しつつ、無理のない
程度に推し活続けたいと思います。


今月は舞台とイベントで3回東京に通うはめになってしまいました。
まず12/1にメトロノウムのイベント、そして先日12/29は帰ってきたな・か・いちゃんイベントのゲストに呼ばれたので急遽日帰りで行ってきましたよー。どちらもすごく楽しくて、やはり推しの現場はどれ1つとして削れないなーと思いました。
あ、ちなみにイベント関係はどうしても行けなかったものがいっこだけありました。
予告がギリギリだとこういうこともあります。
行けなくても何とか妥協出来る潔さを来年は更に身につけたいですね。いちいち病むかとかアホらしいですもん。


オタク的な話になりますと、久しぶりにジャンプの漫画にハマりました。ええ、ハイキュー!!です。
ハイステ観てからの原作ファンです。
だいたいジャンプの作品は原作が好きでそこから
アニメ化舞台化となってそっちも好きになるパターンなのですが、磯部磯兵衛物語ハイキュー!!に関しては逆ですね笑。
オタクなので薄い本も欲しいのですが、そこはもう際限ないので我慢しています。
推しキャラは今のところは西谷、リエーフ、木兎、研磨かなーでも研磨だけタイプ違う理由が自分でも
よく分かっていない笑。Twitterのアイコンがねんどろ研磨だったりハイステの過去グッズで研磨のブロマイド買ったりしているからにはやはりイチオシになるのかな?(ちなみに中の人永田崇人くんは役者として注目していて今後色んな舞台で観たい人。推すのはなかなかしんどそうなので、今はそういう対象ではないです)
学校は烏野箱推し、見ていて楽しいのは音駒。
あと次のステ次第で条禅寺もかなり食い込んでくる
可能性ありです笑。


来年の舞台始めは少し遅くなりそうかな。
8日に舞台カエルエカのイベントがあるのでそれが推しごと始めですね。
減らさなきゃと思って減らせないのだからもうそこは気にしません。来年も観たいものを観ます。


そして今年知り合えた皆さん、以前から付き合いのあるお友だち、沢山お世話になりました。
来年もどうぞ仲良くして下さい。最後になりましたが、皆様、良いお年をお迎え下さい。

12/25(月)壱劇屋「荒人神」感想

2017年観劇納めでした。


5ヶ月連続ノンバーバル殺陣芝居の最終月。
今回ばかりは田中亨くんゲストということで、毎回話が分かりませーんと言うている進歩のないダメな自分を何とかしたくて複数回観たかったですが、
やはり推しごと被ってしまうとダメでした。
今回も千秋楽のみ1回の観劇でした。
ホンマすんません。仕事もそうそう休めないんですよ…休めなくはないけどその分収入にならないのでね。生活大事!


最終月ということでわたしの周囲もかなり盛り上がり、TLが賑やかでした。TLが萌えたり泣いたり大変なことになっていた頃、私は東京で推し活していたんですがね笑。
過去のこのシリーズの感想記事を読んで貰えたら分かると思いますが、どうも私は竹村さんの作られる台詞のない作品との相性がよろしくなく、これまでも一切泣きが入らなかったマイノリティで、若干いやかなり引け目を感じていたわけです。
※念の為、竹村さんは役者としてとても好きな方ですし壱劇屋さんの作品じたいも必ず一度は観に行くくらいには好きです
なので集大成の最終月だからと言って周囲の友だちのようにはなれませんでしたが、それでもラストに相応しい作品であったことは素直に認めます。
(偉そうですかねすみません)
何より推し劇団の子がゲストだもの、そりゃこれまでに買わなかった上演台本だって買うし、終演後には舞台写真も買ってしまったわよ。
私のこの理解しようとする努力、分かってくれ…
(やっぱり偉そうすみません)


これは前にも書いたかもしれませんが、コンテンポラリーダンスの公演を何度か観ているので、台詞がないからといって話が全く分からないというのでは決してないのですよ。
さすがに元(亨くん)が稼いだお金をマッマに渡してもマッマは彼氏といちゃついて子供は放置、くらいは分かります。元はある程度分別のつく年頃みたいに描かれていたけど、彼氏の態度とか見ていたら、これって昨今ニュースでよく見る子供虐待する母親の交際相手という胸糞案件みたいやんと思ったりしたなあ。(そういうどうでもいい情報にはすぐ反応する)


今回のテーマが人の物語、人は人の為に神に挑む、とあって、敵は神様なのかーだったらサイボーグ009の未完の最終章神々との戦い編みたいなのかなとか考えてみたけど全くそういうのではありませんでした。(当たり前だ、ていうか毎度サンプルに出してくるものが古くてすみませんなババアです)
世の中努力だけでどうにもならないことは沢山あって、絶望しちゃうことも多々あるけれど、そこで必ず助けてくれる人やものはあるのだなあと。神というのはそのどうにもならない理不尽なことなのだろうと。そういうことだったんですね。
荒の後にいた黒ゴス娘4人(作中で靄と呼ばれている)が神なのかと言われたらそこはどうなのかなと思うけど。心の闇が靄なのであればそれは理不尽とは違うから神ではないよな…?うーん、まあそこは深く考えなくても良いかな。
台本に書かれていた「過去作品の主役四人」なんてまんまやんけ!絵師の白が自分の描いた彼らを召喚しちゃうとかそれってありなんか?ありだなうん、と思える作りが台詞無しの醍醐味だったのかしら。
とにかく最後のお祭り騒ぎとばかりに過去のメインキャストがどんどん出てくるのは爽快でしたし、そりゃこれまでの話で泣ける人は号泣だわ。
ラストのオールスターダンスはとても可愛くて多幸感極まりました。
…最後に来て漸く自分でも割と納得のいく解釈が出来た!でもこれって台本読んでからのことなので、やっぱり己の理解力と竹村さんの作品との相性のなさは残念過ぎる。まあでも絶賛感想が殆どの中でこういう少数派がいてもいいですよね。ていうかおおっぴらには言えなくてもきっと私みたいな人間はいると思う…いや、分からなければわざわざお金払っては観に行かんか。マイノリティのつらみよ。


墨絵師さんの描かれる最後のキャラが竹村さんではなく亨くんだったのは意外でしたが(だってこれまでのイラストはフライヤーに載っているキャストだったから最後は竹村さんって思うじゃないですか)、頑張っている人を書きたいという竹村さんの言葉、その頑張っている象徴が亨くんであったことは本当に嬉しい。


今回、最後だけ観るあるいは全部の月は観ていないという方も居たかと思います。
おそらく最後だけ観ても??な部分があるので、その対策として事前に過去作品を無料配信するという福利厚生は本当に素晴らしい。
千秋楽ということでエンドロール映像が流れ、次の作品が東名阪ツアーの再演ものというテロップで悲鳴のような声が客席から聞こえて、HEPなのにここは2.5次元舞台の会場か?と錯覚しそうに(笑)
いやーでもこういう最後ならではのお祭りっぽい感じは嫌いではない。
それと、何気に壱劇屋さんの千秋楽は初めてでして、恒例小道具オークションに参加してきました。
ゆーても財布の中身が心もとなくて、大物(刀とかの武器系)は落とさず、最後に1個100円の小判だけ買って帰りました。開運招福の達磨の絵入り。
お守り代わりに財布の中に入っています。

★犀の穴プロデュース「ONE DAY」感想

12/20~24 全8公演

今年最後の推し舞台でした。
始まる前のキャストのツイートやツイキャスからの事前情報によると、とにかく動き回るから汗だくとか黒子(アンサンブル)大活躍とか会話劇のはずなのに立ち回りのシーンがあるとか、何せ初めての団体さん初めての作家さんで想像つかないところへ、キャストのビジュアルですよ。
CR岡本物語さんのオカマが詐欺写並に美しいし、星璃くんが世界を股にかけるジャーナリストなのにめっちゃ2.5次元舞台に出てきそうな衣装だし、フライヤーによると家族を失った中年男とオカマと少女が家族になる話とあって、とりあえずよく分からないけどきっとハートウォーミングな話だろうなCRさんがオカマの時点で面白くないわけないし、と初めてのところなのに最初からハードル上げてしまいました(笑)。


もちろんそれは正解だったわけですが、初日はひたすら笑って終わってストーリーがイマイチ追えませんでした(笑)
確かにフライヤーにある通り、中年男とオカマと少女が出会い家族になる過程を描いたロードムービー的な話ではありましたが。


…とにかく演出が斬新過ぎました(笑)


ツイキャスで言っていた例が
踊る大捜査線」で織田裕二が「何で室井さんは警察官になったんですか?!」と聞いたらギバちゃんの眉間に皺寄せた顔がアップになる
…を舞台上でやってしまう、というもので、成る程そういうことかと合点がいきました。
要するに、映像作品のカット割や視点切替えを全て演者の手によって行っているといえば分かって頂けるでしょうか。車を運転しているシーンだと、前から撮っていて周囲の風景が流れていきますよね、それを舞台上で表現しているのです。
(自分の文章力が無さすぎて分かって貰えるか不安しかないorz)
そして流れていくビルや木々が段ボール製!!!
あらゆる小道具が段ボールなんです。
名刺だの盗聴機だの盗んだデータだの段ボールを四角く切って名称を書くというちゃちさ(…)は、近々に観たものが小道具やセットに凝った作品だったので、そのギャップが新鮮でした。
そしてSEは全て演者の生声。効果音を台詞のように皆が言うんです。
またBC(Black Children=黒子)を駆使したCG効果。
漫画によくあるアッパーカット食らって壁に激突するシーンをスローで再生する演出とかね。
アナログもここまでくると一周まわって新しく思えました。そりゃ動き回るし汗だくにもなるわ。


ストーリーは前述の通り、家族をなくした中年男ハルとオカマのオカと知能が退化した少女ティコが出会って家族になる話ですが、それぞれの背景と絡んでくる舞台設定が国家レベルでなかなかに壮大な展開でした。
とはいえ、超アナログな演出と壮大さが合わないので設定はだいぶふんわりしていて(もちろん架空の国)、普通に映画でやったらツッコミどころ満載だろうな、ていうかそれを緩和させる為のアナログさなのかなという気もしなくはない…
作家さんのやりたいこと詰め込んだら(但し限られた予算内で)こんな感じになっちゃいました、みたいな?(失礼ですかね、すみません)
いやでもやはりそれが可能なのが舞台というものだし、スキルのある演者が集まればそれでいっこの素敵な作品になるのだなあと思えました。
今どきなかなかこういうのってないですよホント。
ハルとオカが仲違いしてティコが仲裁に入るシーン、漸く辿り着いたティコの実家で両親が亡くなっていたことが分かりそれをティコに理解させようとするシーンは毎回涙なしでは観れませんでした。
ティコ役の柳川みあちゃんはアイドルで初舞台ということでしたが、技術的に未熟な部分が生かせる役どころでその中で日々進化していくのが感じられて若い子ってすごいなあと思うおばちゃんでした。
ハル役のデンジーさんは今作の脚本演出の方でもおるのですが、しょぼくれた中年男役が妙にハマっていたし、CRさんに関してはもう言うことないです。オカはオカマなのにめちゃくちゃ男前でした。


BCは若手の舞台役者男女2人ずつ計4人で構成されていて、まあとにかく動く動く。文字通り黒子の役目やあらゆる役をこなしてしまう。
モブどころかゲイビデオのカップルやら軍隊のヘリや戦車の大部隊まで演じてしまう多彩さでした。


ドSな美貌の科学者神崎先生は峰不二子的要素もありかなり美味しいキャラでした。鶴田葵ちゃんがまた美しくてね~ヒールで踏んで!と思わずにいられないSっぷりが素敵でした。
助手佐野の山下さんは去年星璃くんと共演した時に初めて観て、めっちゃイケボな方で気になっていたので今回観れて嬉しかったー。
※余談ですが、昨年のバンタム7で星璃くんが出た「わたしのラベル」初演にて、星璃くんが演じた医者役をやったのが山下さんでした。
惚れた女に何度も騙される非モテくん風ビジュアルに渋い声のギャップ、そして毎回ゴムパッチンに練りワサビ責めという試練をこなされたわたし的MVPです。哲平さん、本当にお疲れさまでした。


推し的にはまさか自分の誕生日(正確には誕生日翌日)~クリスマスの週に女もののパンツを頭に被って巨大ハンマーで吹っ飛ばされたり、ブルゾンちえみの物真似で登場し何度も棒でツッコミ入れられる推しくんを観れるなんて…幸せ…(本当だよ!!)
まあツイキャスで「僕のお客さんは引くと思う」だの「あるものをカッコよく被る」だの何やら不穏なワードが出てきっとHK変態仮面だわと簡単に予想できましたけどね!!笑
ジェイ・ノアはあれです、もっこりのないシティハンター冴羽りょうでした。
確かにこのポジションはこれまでになかったわ…。
パンツ被りつつ立ち回りする姿はいつも通りカッコ良かったし、カッコよくパンツを被ろうと眼帯のようにしたところで正直カッコよくはないけど(…)そういう姿勢はとてもカッコいいし推せる。
ジェイが冴羽りょうなら助手のステラは香織ポジションでした。演じる清水凛ちゃんもお初の女優さんでしたが、可愛い女の子がバシバシツッコミ無双しまくる姿は尊かったです。
ジェイに対してめちゃくちゃ強気で尻に敷いているのにエンディングロールの無声芝居での演技ではちょっとしおらしくなっていたりで胸キュンでした。


気になる部分としては、最後に追い詰められた3人が車ごと崖から飛び降りようとしたのは紛れもなく心中だったことと、ジェイの目的が国同士の膠着状態を壊す為に戦争を起こすことでステラがそれに付き従っていること、なのですが、3人は結果的に助かっているし、ティコは細菌兵器を作る為に体と知能が退化させられたこと、ジェイが己の目的達成の為にハルとオカを犠牲にしようとしたことも含め、ツッコミどころ満載のふんわり設定や、デンジーさんが着せたかっただけ(凛ちゃん談)のコンセプトがまるで行方不明な衣装、そして何より今回の自由奔放である意味演劇の原点のような演出の数々で緩和されているのかなあと思ったり思わなかったり。
最後にハルの元に落ちてきた羽で謎が解けるという終わり方は良かったのではないかしら。


一応、上演時間2時間の予定が初日以外終わったらだいたい15分オーバーで、千秋楽は帰りの新幹線の時間に間に合わなくてダブルコールは見れず泣く泣く切り上げたのが残念でしたが、クリスマスの時期に観れて良かったと思える作品でした。

12/21(木)「バリスタと恋の黒魔術」感想

今月も演目数が少ないので観劇したもの1つずつについて書きます。
今、絶賛「ONE DAY」公演中で東京に来ておりますが、21日の昼がまるっと空いていたのでメンバーの外部を観てきました。


男性メインシングルキャストの内3人がテニミュ1stキャストなんですよね。
私は原作ファンでミュは1st シーズンからのBBAなので、栄治さんもう40越えたなーとかけんけん結婚しちゃったなーとかそういえばせってぃーが出ていたBがLなDVD持ってるなーとか懐古厨になってしまいました笑。
※BがLといっても彼は脇役での出演でしたのでそういう絡みはなかったはず…というか覚えがない←
※ちなみに近藤くんは私の中ではテニミュ4thシーズンで赤澤部長をやる予定でしたが、多分ハイステとの兼ね合いでスケジュールが合わず没です←
※妄想で言ってることなので当たり前だけど本気にとらないで下さいね!笑


公開ゲネプロ回でチケット代が他の回より安くて
予約したチケットも割と遅かったのにかなり良い
真ん中の席でありがたかったです。
さすがに女性客が多い。そしてお花もいっぱい。
余談ですが近藤くん宛のお花が一番多かった。
これだけお金をかけられるファンがたくさんつくのはやはり2.5舞台の強味だなあ。


お話はとても分かりやすかった。時間も90分ですっきりまとまっていて楽しめました。
ベタといえばそうなんだけど、会話のテンポの良さがそう感じさせなかったのではないかな。
せってぃー演じるカフェ店員の店長(けんけん)に
対するフォローやツッコミがいちいち面白かった。
栄治さんの強面パン工場のお兄ちゃんめちゃくちゃハマっていて怖くて可愛かったです笑。
悪魔の近藤くんはなんか楽しんでやってるなーと
いうのが伝わってきて、外部の仕事がハイステ以外なかなか観れないので今回観れて良かったです。
悪魔のビジュアルのインパクトすごくて、当たり前だけど終演後のハイタッチイベントあの姿で出てきたもんだから間近で見て更におかしかったwww
ちゃんと決めポーズがパリピ風になっていました。
それとカフェのセットがとても凝っていました。
サラダに削ったチーズかけるシーンがあるのだけど本物だよねあれ?大量に削ったチーズが床に散らばってせってぃーモップで掃除していたわ。


観劇したのが♣️バージョンで、もういっこの♥️バージョンも観たかったな。
キーマンになるキャラクターが♥️では女性になるのでアプローチも変わってくるだろうしね。
ダブルキャストの面白さを味わいたかった…


ベタな話だけど素直になれない偏屈店長さんの優しさにはじわっときたし、終わり方もめちゃくちゃ予想通りだったけど、ある意味ハッピーエンド?
何にせよクリスマスシーズンにピッタリな心が温かくなるような、そんなお話でした。
やはり笑いがたくさんあってそれを上手く見せてくれる作品はいい。
キャストの力によるところも大きいですよね。
1st キャストの安定感よ。
近藤くんもそういう安定感ある役者に成長して欲しいものです。