後悔は少なめのMY LIFE

労力と金銭は惜しまないstyle

「サンサーラ式葬送入門」感想

3月1日~5日 シアターKASSAI 全8公演

Twitterでけっこう沢山ツイートしたこともあり、思い入れ強い作品になりましたゆえ、月毎の記事に入れるのは勿体なくて個別の日記にしました。

えっと、このブログで何度か推し、推しくんと表現しているのは劇団Patch星璃くんのことです。
ご存知の方多いかと思います。中河内雅貴くんも推し役者で他にもおりますが、一応そういうことでよろしくお願いします。
基本、彼の出演舞台は可能な限り観ると決めているので今回も全8公演観劇です。

初見では分かりにくかったけど、3公演め、サイドの下手席で見た時、あーそういうことか!と理解できたことが多かったです。
KASSAIプロデュースではお馴染みの、正面と下手が選べる自由席。演者のスペースに更に四角い台を作って主にそこで演じているので、下手サイド特有の見え方が楽しかった。半分は下手サイドで観ました。

多くの方が同様に仰っていたのですが、殺人のシーンを何とも思わず時には笑いながら観ていて、ふと我に返るとぞっとしたというのが主たる感想でしょうか。笑いが起こるのはキャストの演技力がすごいからそこまで引き込まれるわけですが、やっぱり普通に考えたら怖すぎます。それがお芝居の中の出来事であっても。そこまで考えて作られたほっそん(演出の細川博司さん)すごい…

細川作品に触れてまだ1年未満なのですが、私の考える彼の作品の最大の魅力は「背徳の中にかいま見える清純」だと思うのです。
今回の象徴は藍川くんでした。藍川くんが星璃くんでなかったらあんな神々しいオーラ出なかったかもしれない。ブレザーでなく詰襟をチョイスしたのもGJでした。18歳の少年が親くらい年上のおじさんにタメ口で喋り、おじさんも敬語で話すという俗っぽい言い方をすれば「萌え」がそこにありました。
ほっそんは星璃くんの可能性を無限大に引き出してくれると思っております。
自分でもすごいこと書いてるなと思いますが、推しだから仕方ないですはい(笑)

さてここから各キャラクターについて語ります。
長くなりますがお付き合い下さい。

男(仮名:工藤清顕)
小沢さんのイケボが大好きなのですが、今回自分を売って金を作るという衝撃的な役で、初っぱなから巨大オカマに前立腺弄られるシーンで固まってしまいました。しょぼくれた中年のおじさんが虐められるのにキュンとなってごめんなさい。
他人の戸籍を与えられ、工藤として殺し屋の仕事をこなしていく内に表情も良くなって声にも自信が溢れていて、そういうところがまた感覚を麻痺させていたんですね。ラストの黒船との会話が全てを物語っていました。あの「あれっ…」という台詞ね。
ほっそん曰くあて書きだそうです。確かにこんな悲惨な役は他の人には難しいかもな~

篠塚岳達
後でちょこんと結んだヘアスタイルといいスーツにサングラスとか教光さん反則だわ!笑
のらりくらりと適当にヤクザやって生きてきて結局サンサーラのことは何一つ信じてなくて、いつもご飯食べ損ねて(この演出は秀逸でした)、相反する潮田とは別な意味で人間くさいキャラでした。
でもフィリピンで遊んで暮らしている内にうっかり何かの紛争に巻き込まれて殺されそうよね。

潮田源治
武闘派ヤクザって時点であれだけど、組守るため極道の看板背負うためにヤクザを全うしているのだから篠塚よりまともなのかな。この話の人物は皆、欠陥だらけなのに視点変えたら普通になるのでそこがまた面白いところでした。演じる小川さんなりの設定で爪をヤスリで研ぐとか娘がいるとか(小川さんのスピンオフ設定ツイートより)繊細な演出もよき。ラフな黒スエットとスリーピースのギャップも素敵でした。

せりちゃん
藍川くんの中の人推しですが、物語の中で一番好きなキャラ聞かれたら彼を挙げます。飄々とした物言いゆるいファッション(ロングカーディガンと素足にスリッポンサイコー!)、全てが好き!でも殺し屋!あんな軽々しく人を殺すんだもん。カッコいいのに怖い。一推しキャラなのに悩ましいです。
せめて人を殺すことに嫌気がさしてもう人間にはなりたくない、とんびがいいなと空を見上げて言った彼の来世がそうでありますように。

甲斐
二推しキャラです笑。竹石悟朗さんをかれこれ3年ちょっと観てきたのですが、こんなにおバカで役立たずでカッコ悪い悟朗さん観たことないです。
そもそも自分のところでこの立ち位置にはキャスティングされないでしょう。いきなりキレたり言われたことがちゃんと出来ないアホさすら愛しい。
殺され方が悲惨過ぎて、泣く話ではないけどここだけちょっと悲しかった。

幸村満月
冒頭のホームレスが幸村先生だと確信したのは千秋楽でした。分からなかったというより違う次元に飛ばされてるってサンサーラ違うやん!と思っていたからなんですが。ホームレスが着けている時計が証明でした。結局サンサーラ失敗してたってことなんですね。きっと生きている間に信者からお布施ぼったくりまくったバチかしら笑。
先にも書いたけどバケツの水で溺死させられるシーンが一番の笑いどころだったことが恐ろしい。
でもあそこの笑いは物語が良いバランスに保たれている証拠なので、やっぱり奇妙な話ですよね。

黒船晃一郎
前回観た聡ちゃんの役が(バンタム7のクリーク・ブロー)とんでもないワルだったので、正反対の役キター!ってなって、また刑事3人の中で一番若手なのに実年齢が一番上というのが面白かったです。
藍川くんを殺した工藤を取り調べるシーン、最後の「あんた何言ってんだよ?!」が日に日に力入っていくのが観ていてよく分かりました。あそこで皆、正気に戻るんだから重要な役どころですよね。

境英則
推しキャラではないけど共感度一番高いです。
ヤクザから足洗って無農薬野菜作っていても人身売買の仲介でバックマージンで儲けているからアカン。そしてきっと篠塚の金をあわよくば…って気持ちあったはず。私が共感できるのは彼のそんな小市民でセコいところです。あと、結束さんの作業着姿が大好きです♪

狭間玲一
ネットリテラシーについて学ばなかったが為に殺されてしまった可哀想な人。
殺される直前の「僕は何処に行くんですか?」という台詞が達観していたし、撃たれた直後せりちゃんが軽く「もう一発」と言うのがまた怖かった~!
スレ立てて書き込みするところ、実は地味に好きなシーンです。ネット民のレスがリアル笑。

露口、松虫
蜂巣さんの20代には見えない貫禄が二つの全く違ったキャラを立たせていて見応えたっぷり。
オカマ露口は妙に可愛かった。性奴隷のいるお店の描写語るのリアルすぎィー!くたびれた中年男の見た目を申し分ないとかゴム手袋とか!笑
暗殺者松虫は甲斐くんの殺し方めちゃ怖かったけど、せりちゃんの死に際の願いを聞き入れてちゃんと死体を山に捨てた辺り割といい奴なのかも。
少ない出番でここまで考察させてくれて有難い。

常盤宗佑
有賀さんは初めて観る方なのですが、真面目な後輩黒船と対照的に口調とかいかにも軽くて実際そんな風に演じられていてリアルだなと思いました。見た目が刑事ぽくないので今度は真逆の役どころで観たいかも。
ネット民の台詞もあるある!って思って観てました。お前のスペック晒せやとか2ちゃんねるまとめサイトでよく見る笑。

唐戸利光
これまではほぼ星璃くんが最年少だったのですが、今回一番若手の方でした。役どころは今風の若者って感じかなと。多分やけど黒船が真面目にやってるのが何となく気に入らなくて、そろそろ暴力団との癒着に関わり始めた頃かも。演じる石見さんはアフタートークで○毛カットする教光さんを暴露したことが頭から離れませんすみません

藍川誠也
弟ポジションや従者、ライバルが似合う星璃くんがまさかのラスボスとは。私はこんな清らかで美しいオーラに包まれたラスボスは観たことがない。出番は少なかったけどインパクトは大きすぎました。
ほっそんには感謝しかないです本当にありがとうございます。藍川くんはサンサーラしたら次は昭和45年の大阪ですかね。時系列的にはFBIのプロファイラーかも?笑

今回の照明と音響もとても効果的で好きでした。
パチパチ鳴る音や裸電球や使用されたクラシック曲etc
細川作品でよく見る暗転の際にキャストが小道具運ぶ一連の仕草も計算されたスマートさだなぁ好きだなぁと思いましたね。
派手な殺陣やダンスは一切なくて、会話劇といっても一風変わった作風でしたが、全部観れて本当に良かったです。例え推しの出番は少なくても(笑)