後悔は少なめのMY LIFE

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Uzumeプロデュース「青月の影、忘るる雷雲の中に」感想

20~23日まで東京で金井成大くんの主演舞台を観てきましたのでその感想です。なるべく早めにあげたかったので頑張って今月中の更新に入れました。
とても難解な作品だったので多少否定的なことも書いていますが多ステしたことは後悔していないし観れて良かった作品でしたと先に書いておきますね。


2/19~23 全9公演(新宿コフレリオシアター)
私が行ったのは内5公演。当初は4公演の予定でしたが、21日の昼がまるっと空いてしまったので当日券を増やしました。


先に公開されたあらすじからきっと重い話なのだと予想していました。20年ちょっと前に実際に起こった少年犯罪事件を元にしており、ノンフィクションに限りなく近いフィクションとして描かれていて
事件をもう一度検証しようとするジャーナリスト(成大くん)視点の物語…なのだけどミステリーというか推理小説のようだった。
めっちゃ観る人を選ぶなあと思いました。推しキャストが居ても多ステするのはしんどかった人は多いと思うし、是非観て欲しい!とお勧めも大変しにくい作品だったのではないでしょうか。

元になったのは神戸連続児童殺傷事件。私は世代的にものすごく覚えているし事件のあった場所の近所に住んでいる友人が複数いたこともあり、20数年経っても忘れられない事件です。
フィクションにつき犯人の少年が少女に変わっているのだけど、他に複数の実際にあった未成年による殺人事件を模したものが登場人物の過去に絡んでいて、時系列が板の上でぐちゃぐちゃになり一度ではとても理解しきれないというのが初見の印象でした。なので翌日当日券で増やしたのですが、4を5に増やしたところで私の頭では全てを理解することは無理でしたorz

台本が限定数ではあるけど物販にあったので最終日に買いました。(残っていないと思っていたらまだあった) 劇中のラジオ?テレビ?の報道の音声が雑音混じりに流れるのですが何を言っているのか聞き取れなくて台本読んでやっと繋がったというね。
助手の花香は守の考えにはあまり興味ないし理解しようともしない今どきの女性というキャラだったけど、実は小学生の時に蒼の妹サクラを殺した同級生だった、が真実だったんですね。何で蒼に最後謝るんだろうと最終日まで分からなかった…。
そういえば蒼がサクラ(久道雪)を監禁していた罪で尋問されていたのは、成人男性が家出少女とSNSで繋がって何もしていないのに未成年誘拐の罪に問われた最近の事件がモチーフですよね。
拓馬と国宗がやりとりしていたものはどうやら飴玉らしいのだけど(国宗が元公安でおそらく道を踏み外しているのは何となく分かったからクスリじゃないかと思っていた)、口田が久道雪にあげたのも飴だし叶野が守に選ばせていたのも飴だった。飴は何の象徴だったのだろうか。
元公安の国宗、元検察の口田、卯月の夫になった刑事の拓馬、この3人の関係も分かりづらいし、少年法を変える為に卯月に近づいた拓馬が結果として卯月を愛するようになったのもその設定は必要だろうかと思ったり。
とにかくすっきりと回収出来ないことだらけでここからメッセージを読み取れということなのかと思えなくもないのですが、あまりに解釈に迷うならその辺の枝葉は取っ払って敢えてこのような重いテーマを選んだ理由やメッセージは観る側それぞれ次第でいいのかとすら考えました。考察必須な作品は嫌いではないけどもう少し伏線を分かりやすく回収して欲しかったかな。

コフレリオシアターは初めて行きましたが100くらい席が作れそうなところを舞台美術の配置を考慮して敢えて70程度の座席数にしたのかな。そりゃチケット前売り完売になりますわ!(補助席置いて毎回10席くらい当日券出していました)
両サイドにも席を作って2回は上手から観て、残りは全部正面だったのですが、下手からも観てみたかったなあ。前楽は最前正面からだったので超至近距離で成大くんのあんな姿やこんな姿(とても語弊がある言い方)を目に焼き付けました。
座席の間隔がめちゃくちゃ狭く通路に余裕がないのは小劇場にありがちですが、ホスピタリティーの高さと推しの芝居を至近距離で堪能出来るのは比例しないという顕著な例ですね。

観劇したのが2日めの夜からだったので事前にどんな話だったかフォロワーのキャンディさんにリサーチして該当の事件のWikipediaを読んでおさらいしたところ、概要の中に性的な表現があり、劇中もしかしてその演技はそういう表現なの?と思わせるところを初見で観てしまい、キャンディさん達に話したら同意して貰えて安堵しました。隠しても仕方ないのではっきり書きますが、成大くん演じる守が人が殺される場面を見せられて、性的興奮を覚えて自慰行為ではないかと思わせる動きをしたのですね。なんか呻き声もヤバかったし。ただ、このシーンは翌日から抑えられているように感じました。
毎回複数場面で演技が変わるのでそこら辺の違いを見るのも密かに楽しみではありましたが。
擬似的自慰行為はともかく、卯月が守に自分を殺すことを望み守にナイフを握らせるのですが、ここは明らかに男女の性行為でした。卯月役の楠世蓮さん、とても好きな女優さんなのです。(何なら成大くんより数観ている) 彼女の目力のある演技に毎回やられていました。当日券増やしたのは彼女のセーラー服姿を見たかったのが半分くらいです。
擬似とはいえ性行為を思わせる演技を見せるってなかなか挑戦的だと思うのですが、私は推している人のリミッター振り切ったイッちゃっている演技を観たい人なので観れて良かったと思っています。

守が実はあの事件の犯人神矢卯月で顔を変え性転換して時守として生きてきた、というのはフェイクだったのですが、叶野さんのこのフェイク台詞のせいで更に混乱させられてしまった。後半、叶野さんのオフィス内での守、卯月、叶野さんの芝居は最大の見処だと思っています。そして個人的に叶野さんは立場上守に対して上からだし拘束して2回も平手打ちするという大変役得な良いキャラで、私は大変好きなアラフィフ美魔女です。
守も卯月と同様の犯罪を起こす可能性のある子供だったから卯月に出会っても生かされていた。2人共青い月を探し、守は生きて卯月は死んだ。
このことが示すもの、が今作品のテーマの1つかなと思いました。正解かどうかは全く自信ない。
そこは観た人それぞれが感じたことが正解なのでしょうね。(演劇あるあるですね)

それから、重い話ではありますが、その中で演者さんがちょいちょい笑えるアドリブを入れてきて少しホッとしました。安達さんは芸人らしく毎回かなり笑いをぶっこんでくるのですが、ちゃんと通常の芝居に戻れているから皆さん当たり前だけど役者ですわ。これで笑いが漏れたりしたら素人か!と興醒めしてしまうところでしたが実は毎回はらはらしていたのでした。シリアスな展開にギャグ入れる手法は賛否両論ですが、私は演出が好きであれば受け入れられる方ですね。
上映時間中に劇場内に流れる空気は緊張感溢れていて、うっかり音をたてることも憚りました。
座席がちょっと動くと軋むので内心とても申し訳ない気持ちで一杯でした。なので少し気が抜けるシーンがあって安心出来たんですね。


感想とは別に物販とか他のことも備忘録として書いておきます。
今回ランダムチェキがあり当たりはサイン入りだったのですが、推しを当てる為に積むことが出来ず、1回めで成大くんを出したのでそれで満足してしまって以降は手を出しませんでした。男性客で交換に応じて下さる方はけっこう居たようですが劇場周りにたむろしないように何度も声かけられていたので余計に積めなかった弱いオタクです。
利益の為にトレーディングとはせずランダムと銘打って大っぴらに交換させてくれないやり方が規模の大小問わず受け入れられないので、お金出すから推し(のグッズ)を下さいと何度でも言い続けます。
それと祝い花を送れない狭いところだったので代わりに差し入れが送れるトリートがあり、微力ながら差し入れを送らせて頂きました。飲食物の差し入れはNGなところが殆んどですが、合法的に推しに差し入れ出来るのはとても有難いシステムです。
そしてちゃんとトリートを送ったキャンディちゃん達の名札(送り状?)を1枚ずつブログに画像上げてくれてありがとうございます。

彼の演技が上手いかどうかは何をもって判断すれば良いのか分からないのですが、私は彼の芝居の引き出しの多さがとても好きで、同時に何をやりだすか全く読めないところも好きで、結果的にめちゃくちゃ変な人を推しているわけですね。

目に見えるファンサをするタイプの人ではありませんが、彼がキャンディちゃん達を大切に思ってくれているのはとても分かるし、キャンディちゃんになって成大くんのお芝居を観て満足出来て、すごく幸せな4日間でした。