後悔は少なめのMY LIFE

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★ENG「メトロノウム」感想

6/28~7/3 10公演 日暮里d-倉庫

「アリス、話の続きをしよう」
フライヤーに記された一見キャッチコピーのような文言に一番泣かされるとは思いませんでした。

ENGの公演は2015年から皆勤な上に推しが出るとあればリピートしない選択肢はありません。
不思議の国のアリスがベースなのにめっちゃ戦うってどういうこと?と発表された時から考えていましたが観劇して謎が解けました。
以下、まとまりきらない感想です。
もう終わってからかなり経つのですがどうしても単独で感想書きたかったのです。時間ないのに無理やりまとめた感じで読みにくいかもしれませんがご了承下さい。思ったことつらつら羅列しているだけですごめんなさい。

荒廃した大地の中に作られた「オアシス」が舞台。
そこを管理しているのはアンドロイド。
人間に奉仕する為に作られたのにいつの間にか人間を管理する側になっている。怖っ!
しかもアンドロイドは人間を殺せない。そして人間の幸せを追究するのが仕事。この設定が分かった時、ホントに寒気がしました。
否、昔からロボットが意思を持ち地球が荒廃した後の世界が描かれる作品は存在していました。
この作品がすごいのは、そこに不思議の国のアリスの設定を取り入れているところなんですね。
これを10年前に実行している宮城さんしゅごい…
(今回は10年前のリメイク版再演なのです)
メトロノウムとはオアシスの総市長が人間の幸せの為に作った仮想現実世界のこと。住民はそれぞれ1つのメトロノウムを持ち、それらの親玉がマスターメトロノウム。総市長が持つティーポットの中がその世界。「アリスシステム」を確立させる為に、総市長は一人の少女を実験体にし、仮想世界に放り込み絶望させる。その目的は人間の幸せの為にはストレスを必要とし、人間にとっての最大のストレスは「死」であることから、総市長は少女に死に直面させるよう、メトロノウムの持ち主(=人間)に命じる。少女がアリスなのは言うまでもありませんね。どうですか、めちゃくちゃ恐ろしくないですか。私の文章が稚拙なせいであまり伝わってないかもですが。

星璃くんの役は、オアシス内の小部屋で暮らす人間シュクガがメトロノウムに居る時の姿「ビャクヤ」。グッズのペアブロマイドがシュクガ役の図師光博さんとだったのでどういうニコイチなんだ?と思っていたらそういうことだったんですね。
シュクガが内向的で引きこもり風なので、ビャクヤはそんな彼の理想形でとにかくカッコいい。
冒頭からアリスのピンチにスマートに現れ、華麗な立ち回りを見せてくれます。
予知能力があるのだけどそのポーズがまた厨二ぽい笑(自分で考えた説あり)
ヒロインはアリス、そして物語の主人公は公式てきには眠たがりのヤマネ、本来の姿はあちこちのオアシスを旅してきた人間ニビィ、のはずなのですが、初日観て、あれ、主役はシュクガ/ビャクヤじゃないの?とすぐに思いました。
シュクガ/ビャクヤはアリスのことが好きなんだもん!ヤマネ/ニビィは主人公といえばそうだけど、どちらかと言えば巻き込まれ型だよなあ…と。
つまり、公式的「主演」はヤマネ/ニビィだけど、
物語の主役はシュクガ/ビャクヤじゃないの??
星璃くんが言っていた物語を担う重要なポジション理解したわ…こんな大事な役にキャスティングしてくれたのぶさんには感謝しかありません。
図師さんは普段はコメディ寄りの芝居をされる方なのですが、そういう方のシリアスな演技はギャップにやられます。とはいえ、私自身、初めて見た図師さんにめちゃくちゃ泣かされたのであります。
(2015年のボク団さんの本公演でした)
そんな素敵な役者さんと同じ役が演じられるのは本当、ファンとしても嬉しい限りです。

それと、武器なしで素手での立ち回りがもうホントにカッコ良くてですね!!尺もかなり長い上に100ちょっとの会場のキャパで最前で観たときは本当に風が吹きました。共演者にまた人間離れしたアクションのスペシャリストがいらっしゃって、こういう方々と渡り合えるのは素晴らしいことで、今後の糧になると思っております。
キング役の太田さん、ジャバウォッカ役の澤田さん、チェシャ(ブレイン)役の門野翔くん、この物凄い身体能力の3人との絡みが観れたのは至福でした。
太田さんが柔なら澤田さんは剛かな。たまにこの人たち人間じゃないよね…と思いました笑。
門野翔くんはとにかく美しくて速い!一言で表すなら颯爽の颯!星璃くんと仲良しで一緒に居る内に自撮りの写り方とか段々似てきた気がします笑。

物語が最後を迎えようとする時、アリスはずっと話を続けよう一緒にいようと言うシュクガの言葉を拒否し、メトロノウムを壊して欲しいと言います。
アンドロイドは人間を殺せないからメトロノウムを壊されたらまた人間を幸せにする方法を考えるしかない。反逆分子のアンツは死に、死を認識しないフィギア達は消滅する。メトロノウムは仮想世界だからフィギアは時間を戻すことによって何度も始めからやり直す。
頭の中で描いてみたら、その構図が残酷に思えて仕方なかった。でも不思議とマイナス感情だけにはならなかったな。
ただ、死ぬという概念はなくても彼らが消えてなくなってしまうのは辛かったです。
うーん、何だか矛盾しているなあ。

そうそう。白ウサギのイナバはカウンタークロックという時間を戻せる技を持っていて物語中何度も同じ場面をやり直すのですが、皆さん出とちりなくこなしていてさすがでした。特に今回初舞台のカキコ役の結城美優ちゃん、登場シーン何度も繰り返して大変だったろうな。ミスなく終われて良かったです。

これは分かる人だけ分かってくれたら良いですが、仮想現実の世界と外にある現実の世界という背景と人間がメトロノウム内では別のキャラクターになってしまうという設定で、私は星璃くんが初客演作品で主人公のアバターを演じたことを思い出しました。ビャクヤとギド、似てない…か、な…?
まあ、似てはいないのでしょうけど近い世界観はあるかもしれない。エバグリの舞台は普通に平成だけど笑。
ギドは途中で病みましたがビャクヤは元がヒキ気味のコミュ障ぽい人間からなあ。西新井くん(エバグリ主人公)の方がまだマシかなといいつつ自分の分身をとことんカッコ良くするのはお約束なんでしょうかね笑。
とりあえず興味もたれた方はエバグリのDVDをどっかで手に入れて(…)見てください。
蛇足ですが先週終わった「勇者セイヤンの物語(真)」もゲーム世界のお話でした。星璃くんはモンスター役。なんか現実離れした役いっぱい貰ってんなあ…というわけでセイヤンについてはまた後日記事にしますのでお待ちを。

公演グッズの中に前述のペアブロマイドというものがありまして。お話の中で絡むキャラ同士のブロマイドです。ペアもありそれ以上の複数人数ありカテゴリ分けされていて素敵なグッズでした。
全部欲しかったけどそこは我慢してシュクガとビャクヤだけにしました。
・アリスと愉快な仲間達
・ボーシャ&サンガツ
・アンツチーム
・キング&クイーン
・うさぎーズ
・ジャバウォッカ&ハンプティダンプティ
・トランプ兵チーム
・アンドロイドチーム
・ブレイン&リデル
他にもあったかなあ
図師さんに教えて頂いたのですが、二人の衣装の一部はパッと見は分からないけど同じ生地を使っているんですって。ワンダーランドに入る時の衣装は外にいる時と似たデザインや色を使っているのでそういう細かい拘りが分かると嬉しいですね。

日暮里d-倉庫は段差があるので後でも全然良いのですが、やはり推しのサイン入りポストカードのS席特典が欲しくて最前数回とりました。迫力ありすぎて本当に風が吹いたわ…
あと初見の友だちが一度だけだと置いてきぼり感あったのでと当日券で増やしてくれたのが嬉しかったし、辣腕制作登紀子さんの尽力で通路に増席して当日券の人全員お断りなしで観れたのは本当に良かったです。素敵なキャストに素敵な制作、また素敵なお客が集まる場所は良いものです。理想的な現場だよなあ。

寝かせ過ぎて段々記憶が上書きされてしまって書きたいこときっと抜けていると思いますが終わってからちょうど1ヶ月経ったのでいい加減アップします。DVDがおそらく半年後くらいに出るのとまた発売イベントがあるはずなのでこちらも楽しみです。

長々とお付き合いありがとうございました!